ソードアート・オンラインの映画を見に行った話(ネタばれ注意)

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映画を見に行きました。SAOの。

僕は特にSAOシリーズの大ファンってわけでもないし、前から気になってたというわけでもないんですけど、Amazonのプライムビデオで劇場版SAO(オーディナル・スケール)を観たら、久々にSAO熱が上がってきて、そういえばプログレッシブもアニメ化するとかどこかで見たような気がするなあと思って、検索してみたら、劇場アニメ化という話で、しかも絶賛公開中って話だったわけです。

そんでそれを検索したのが夜9時くらいだったんですけど、近所のイオンシネマの上映スケジュールを見てみたら、30分後に上映があったので、衝動的に出かけてしまったわけです。

僕はライトノベルというジャンルが大好きなので、結構たくさんの作品を読んできたのですけど、SAOシリーズには最初イマイチ食指が動かなかったのです。

ゲームの中に閉じ込められて、その中で死ぬ(HPがゼロになる)と現実世界でも死ぬ、という設定が実に陳腐というか、ベタすぎるというか、あんまり面白そうには思えませんでした。

だから、最初にこのシリーズに手を付けた時には原作の9巻くらいまで発売済みでした。

当時、ちょっと嫌なことがあって、しばらく何もしたくない気分になり、何でもいいから時間をつぶせるラノベとジャンクなフードを買い込んで部屋に引きこもったのが、このシリーズを読みはじめたきっかけでした。その時にアニメも併せて視聴しました。

まあ、滅茶苦茶面白いってほどではないし、文章もすごく上手というほどではないけれど、ラノベとしては十分及第だと思ったし、アニメの出来も悪くなかったので、人気が出るのもわかる、という印象でした。

文章は巻を重ねるごとに少しずつ洗練されていったので、安心して読めたってのもあります。

その時、9巻まで一気に読んだんですけど、その9巻が「アリシゼーション」と呼ばれる長大なシリーズの1冊目にあたる巻で、この巻の途中に差し込まれた見開きカラーページのイラストがすごく良い感じで、当時お気に入りだったのを覚えています。

ちなみにアニメのほうは、第1話、第2話が特に好きで、何回も見てました。

で、この作品。SAO(ソードアート・オンライン)というオンラインゲームの中に閉じ込められて、第1層から第100層まである「アインクラッド」という空飛ぶ鋼鉄の城を1層ずつクリアしていって、最終第100層をクリアしたら解放されるけど、その途中でHPがゼロになったら実際に死ぬという設定。しかし、原作では攻略の様子は74層から描かれます。主人公のキリトがレベル上げまくって既に最強プレイヤーの一角になってるところから始まるわけです。

なんやかんやあって、SAOというゲームは75層で黒幕を倒してクリアされるんですが、その後も別のゲームを題材にしてシリーズは続いていきます。当然、SAO以外のゲームでは、ゲーム内で死んだら実際に死ぬということはないです。

そんで、「アリシゼーション」ではちょっとしたSF作品的な雰囲気も出しつつ、このシリーズでいったん本編のほうは終了となりました。というか、元々この作品は、作者のホームページ上で公開されていたもので、そっちが「アリシゼーション」のラストまでで終わっていたのです。

その後、「ユナイタルリング」という新シリーズが始まって、現在に至るまで刊行され続けているのですが、今回見に行った映画は、本編とは別物(?)の、SAOP(ソードアート・オンライン・プログレッシブ)という作品を映画化したものとなっています。

SAOは第100層まであるって設定だったのに、本編では端折りまくってしまったので、せっかくだから、最初から丁寧に冒険の様子を描いてみたいという欲求が作者さんの中にあったようで、第1層から詳細に攻略の様子を描いたのが、このSAOPという作品です。この記事を書いてる時点で確か7層まで進んでるんだっけ?

僕はSAO本編よりもプログレッシブシリーズのほうが好きだったりします。

ゲーム内で死んだら本当に死ぬって設定は、最初陳腐にも感じたけど、この設定があるから緊張感が保たれているってのは確かにあるなと思います。絶望感をわかりやすく表現しやすいといいますか。

で、本編では、主人公のキリトとヒロインのアスナは74層で仲良くなるんですけど、プログレッシブのほうでは最初からパーティ組んで攻略を進めていくので、巻を追うごとに加速度的に仲良くなっていきます。そういうのが好きな人にとっては読んでて楽しい作品だと思います。僕は好きです。

ちなみに、本編の設定と矛盾すんだけど、どうすんの、という意見もあるようですが、僕はほとんど気にしてないです。もはやSAO関連の作品群は、設定とキャラだけ共通で、細かいところは整合性が取れなくても気にしないという方向で割り切ってるように思いますので、消費者側としてはそれぞれの作品を楽しめれば何でもいいかなと思います。

本編(原作第1巻)では描かれなかった第1層攻略の様子ですが、TVアニメ版第2話でそこそこきちんと描写されておりまして、プログレッシブ第1巻にも共通する描写がかなりあります。

今回の映画化は、この第1層攻略について、ヒロインのアスナ視点で構成しなおしたものになってました。

完全に主人公はアスナで、キリトは中盤まで影も形もないし、名前に至っては最後の最後まで出ません。

とはいえ、中盤以降キリトの活躍はしっかり描写されていて、さすがやでって感じではありました。正直かなりかっこよかったです。

「劇場版 ソードアート・オンライン -プログレッシブ- 星なき夜のアリア」PV
(アニプレックス YouTubeチャンネル)

見に行った感想なんですけど、すごく良かったです。(小並感)

まず、音響が素晴らしかったです。特に低音の音圧がすごくて、何というか、音だけで引き込まれるというか、無理やり納得させるだけのエネルギーを感じるというか、とにかくすごかった。

ソードスキルのエフェクトがかっこよくなってたり、戦闘シーンの動きも良かった。

劇場版オリジナルキャラのミトという女の子が登場するんですけど、アスナをSAOに誘って、キリトと出会うまでのアスナにゲームの知識を与えて導く役割を果たしていました。始まりの町から次の町へダッシュしている途中、オオカミ的なモンスターを一閃して倒すシーンもキリトと重なる部分があったと思います。

このキャラの追加について個人的には良し悪しだと思っていて、キリトとアスナが出会うまでのアスナ側のエピソードを補完するために必要だと思う反面、ボス戦とか既存の作品中でも描かれていた場面については、無理やりねじ込んだ感がなくもないと思いました。

個人的に好きだったのが、大量のウツボカズラに襲われたアスナを助けに行こうとしたミトが、これまた大量のウツボカズラに行く手を遮られ、もう助けられないと悟った時の表情とか、声とか。とてつもない絶望を感じてすごく良かった。

そのあと、でかいモンスターに襲われて死にかけていたアスナを助けたキリトのかっこいいことといったら。さすが。

ボス戦も超かっこよかったし、全体的によくできた作品だと思いました。

というかワタクシ、本作を現時点で3回見に行っております。

同じ映画を複数回見るのは初めてだったんですけど、何度でも見たいと思ってしまったのだから仕方ない。

なんか行くたびに違う来場者特典をくれました。

来場者特典1
1回目特典
来場者特典2
2回目特典
来場者特典3
3回目特典

1回目の特典は、ただのイラストカード的なやつですね。

2回目は書き下ろしの短編小説。キリトとアルゴの出会いから、2人で協力してクエストをクリアする過程が描かれていました。

3回目は、リズベットとシリカのイラスト。裏にURLとシリアルコードが記載されていて、アクセスすると2人のボイスドラマが聴ける仕様になっていました。

個人的には短編小説が一番嬉しかったです。

さすがに4回目を見に行くかどうかは置いといて、ブルーレイが発売されたら速攻で買うと思います。

そして、来年SAOP第4巻にあたる、「冥き夕闇のスケルツォ」が映画化されることも最後に発表されたので、楽しみに待ちたいと思います。

多分またミトが登場するんでしょうね。2層~4層の話はどうやって繋げるんでしょうか。TVアニメ化とか、ネット配信とかしてくれたら嬉しいんだけど。

SAO好きな人は見に行って後悔することはないから是非。おすすめ。

終わり。