るろ剣(追憶編)のクオリティの高さに今さら驚いた話
さて、世の中は新型コロナウイルスで大騒ぎですね。
個人的にはコロナが収束した後、日本の経済が冗談抜きで詰むんじゃないかと心配しています。
政府が打ち出した対策も見せかけだけの舐め切った内容でしたし。
安倍さん、麻生さんを始めとした政治家、官僚の皆さんに人間としての誇りがひとかけらでも残っているのであれば、国民の生命と財産を守るための対策を全力で今すぐに打ち出してほしいと、切に願っています。
どや顔で布マスクしてる場合じゃねえぞ、おい。
とまあ、それはそれとして、今回はどーでもいい暇つぶし記事を書きます。
この間、『るろうに剣心-明治剣客浪漫譚- 追憶編』のブルーレイを購入しました。
製作から20年近くになる作品で、存在自体はこれまでにも知っていたのですが、絵柄が原作やテレビアニメ版と大きく異なっていたことや、内容は原作読んで知ってるしなあという思いもあり、これまで敬遠してきました。
しかし、今回遅ればせながら視聴してみたらあまりのクオリティの高さにびっくりして、とりあえず3回連続で視聴したうえ、お気に入りの場面だけ10回以上は連続で視聴しましたので、感想を書きたいと思います。
あ、ネタバレ多数になると思いますので(原作含む)、ご注意ください。
最初から最後まで超シリアス
漫画・アニメ好きの方で『るろうに剣心』を全く知らない方は少なかろうと思いますが、一応簡単に書いておくと、本作品の原作は1994年から1999年にかけて週刊少年ジャンプ誌上で連載されていた漫画で、原作者は和月伸宏さんです(Wikipedia調べ)。
ストーリーは簡単に説明すると次のようなものです。
時は明治、幕末に幕府側の要人を斬りまくり「人斬り抜刀斎」と呼ばれた主人公「緋村剣心」は、なんやかんやあった末に今では不殺(ころさず)を誓い、逆刃刀を携え流浪人として旅をしていた。しかし、過去の因縁で襲われたり、国家転覆をたくらむ輩を退治したり、なんだかんだと戦いに身を投じることになる剣心。果たして彼は大切な人たちを守り切れるのだろうか。
とまあ、そんな感じですが(あってるよね?)、『追憶編』の内容は剣心が「人斬り抜刀斎」をやっていたころのお話です。不殺を誓う流浪人になるまでのなんやかんやの部分ですね。
原作は絵がたまにデフォルメ気味になったり、剣心の一人称が「拙者」だったり、語尾が「~でござるよ」であったり、基本シリアスな物語の中にもギャグテイストが少なからず盛り込まれた作品となっています。
「人斬り抜刀斎」 時代の話は原作でもかなりシリアス寄りで、口調は普通だし、オロオロ言ったりもしませんが、それでもうっすらとギャグっぽい雰囲気が残っています。
しかし、この追憶編は徹頭徹尾シリアスが貫かれていて、 内容的には原作と同じものでありながら、お笑いの雰囲気は欠片も感じませんでした。
キャラクターデザインもそれに合わせてリアル寄りになっていますし、また、OVAだからこそできたことだと思いますが、人が斬られて死ぬ際の残酷な場面も割と直球で描かれています。
さらに言えば、剣心が人を斬るときに技名を叫んだりもしません。
剣心と巴を中心としたキャラクター達の心理描写が、徹底的に磨き抜かれたセリフや表情、動きで表現されていたこともあり、少年漫画が原作とは思えないほどに、ひたすらシリアスな物語となっています。
30超えたおっさんが観ても十分楽しめる内容です。
原作との相違点
本作は基本的に原作に則って作られていますので、内容的には概ね同じものと言っていいと思いますが、細かなセリフや描写の変更により、ニュアンスが少し変わっています。
まず第一に、全体的にセリフの量が原作よりも少なくなっています。
原作は少年漫画ですから、一読してわかりやすいようにある程度言葉を尽くす必要がありますが、『追憶編』では細かなニュアンスは表情とか動きとか雰囲気とかで察してくださいな、という作りになっています。
それから、剣心と巴の関係、心理描写に関する部分は結構大きく変更されているように思います。
例えば、原作では池田屋事件の後、剣心と巴が夫婦として暮らし始めるときにこんなセリフがあります。
「一緒に暮らそう 俺はこんなだからいつまで続くかわからないけど できれば形だけでなく 一緒に」
それで巴もまんざらでもなさそうな表情をしているのですが、『追憶編』ではそのシーンは削られています。
他にも、こちらは変更ですが、巴が剣心の元を去り闇乃武の人達の所に行く時のセリフ。
原作では
「さよなら… 私が愛した二人目のあなた…」
だったのが
「 さよなら… 私を愛してくれた二人目のあなた… 」
と変更されており、ほんの少しの違いでニュアンスが随分変わっており、巴が剣心に対して抱いている複雑な感情がうまく表現されています。
それから、わかりやすいのが剣心の十字傷のくだりですね。
原作では、巴の持っていた小刀が偶然剣心の頬に当たって十字になったみたいに描かれてますが、『追憶編』では巴が自分の意志で傷をつくっています。
あの行動には複雑で多様な感情が込められているようで、物語に深みを増しているように思いました。
他にもいくつか原作からの変更や追加があって、それを探すのも楽しいです。
BGMが秀逸すぎる
音楽がめっちゃくちゃカッコよかったです、はい。
特に新撰組が池田屋に押し入るシーンと、ラストのスタッフロールで流れるBGMは最高すぎました。
サントラほしい。
季節感と色彩感覚が素晴らしい
本作は全4話で、一話ごとに季節が一つ巡っていきます。
梅の花、菖蒲、十五夜、秋あかね、一面の雪景色など、季節を表す景色が随所に描かれており、古き良き日本の風景みたいなものを感じることができます。
そしてそれを表現する色彩感覚が非常に秀逸だと思いました。
上手く言葉にできないのですが、なんというかこう、すごく日本的な色使いというかそんなやつ。
個人的にとても好きな感じでした。
優しすぎたんや
結局、剣心は優しすぎて剣客には向いてなかったという話。
序盤の師匠との会話
「坊主 名は?」
「心太」
「優しすぎて剣客にはそぐわないな お前は今から剣心と名乗れ」
終盤での巴のセリフ
「人を斬っていないときのあなたは 優しすぎるわ」
でも剣心が優しいだけでは、ここまで悲しい結末にはならなかった気もしますね。
巴が剣心を憎悪するだけの女性だったらそんなにややこしくなかった。
というか、剣心といい、清里といい、あと縁とか闇乃武のおっさんとかも、巴に振り回されちゃった感があります。
女性は怖いですね。
どうでも良いけど、縁のシスコンっぷりがすごかった。原作読んで知ってたけど、改めてアニメでみるとホントにすごかった。
最後に
そんなわけで、今さらながら視聴したらクオリティ高すぎて驚いたって話でした。
ちなみに、本筋には関係ないんですが、個人的に一番好きなセリフがこれ
「春は夜桜 夏には星 秋に満月 冬には雪 それで十分酒はうまい それでもまずいんなら それは自分自身の何かが病んでいる証だ」
師匠かっけー。いつかそんなセリフを吐けるようになりたい。
終わり
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